このような疑問を持っている方のための記事となっています。
本記事の内容
本記事をお読みいただくと「今、USD/JPYを買うべきか否か」をバッチリ理解できるようになります。
なぜなら、誰にでも分かるように「これまでの大暴落の時どうだったか」の前例を交えて、実際の値動きと戻しまでの期間はどうだったか、を全てお伝えするからです。
テクニカル、ファンダメンタルズといった分析手法があることから分かるように、通貨変動の歴史は法則性があり繰り返されます。つまり、かつての例に倣うことで成功率を限りなく上げることができるのです。
最大の理由は「誰も相場の先を予想できないから」です。
災害時の相場は「経験済みかどうか」が決め手
逆に予想できる相場であれば、手を出し時のパターンが多い。
例えば、1995年の阪神淡路大震災よりも2011年の東日本大震災では、円高の進行が著しく抑えられています。これはすでに経験している「震災からの景気回復」までのシナリオが投資家にとって折り込み済みとなったからです。つまり「予想できれば対応できるよね」という当たり前のことに帰結します。
逆に「予想できない相場」に突っ込むことはただのギャンブルですね。個人的にファンダメンタルズや、今回のような病気や戦争などによる不確定要素が多い相場には手を出さないのがFXにおける“必勝法”だと思っているので。
では、不確定要素がどれだけ相場を揺らがすか、ここから過去の例を見ていきましょう。
1995 阪神淡路大震災
1995年1月7日、6500人以上もの死者を出した、歴史に名高い阪神・淡路大震災が起きました。2011年に日本が東日本大震災に被災するまでは、戦後最大の災害だったとされています。
・被害の影響は日本のみ
社会インフラにも大きな影響を与えたこの災害が相場にどのような影響をもたらしたか見てみましょう。
引用:https://zai.diamond.jp/articles/-/108598?page=2
・元の水準に戻るまでの期間:約5か月(1995年4月⇒1995年9月)
日本にとっては初めての自信による大規模な自然災害だったため、投資家たちも市場予測がつかず強いリスクオン体制となり、ポジションの縮小や円キャリートレードのクローズによる円買戻しによってわずか3か月の間に20円以上もの円高となりました。
後にも先にも、これほどの短期間で20円の急落をしたことは一度もありません。次に述べるリーマンショック時ですら、これほどの暴落には及びませんでした。
2008 リーマンショック
2008年9月15日、サブプライムローン問題が波及し、米国大手投資銀行グループのリーマン・ブラザーズ社が破綻した、かの有名な「リーマンショック」です。
・相場への間接的な影響(自然災害など)ではなく、直接的に投資家心理を破壊
・世界的に投資意欲激減のきっかけとなる
では、リーマンショック前後のUSD/JPYの価格を見てみましょう。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
---|---|---|---|---|
2009年12月 | 86.279900 | 93.139900 | 86.110000 | 92.900000 |
2009年11月 | 89.660000 | 91.319900 | 84.809900 | 86.339900 |
2009年10月 | 89.690000 | 92.319900 | 87.980000 | 90.080000 |
2009年9月 | 92.949900 | 93.440000 | 88.220000 | 89.760000 |
2009年8月 | 94.709900 | 97.779900 | 92.529900 | 93.010000 |
2009年7月 | 96.339900 | 96.989900 | 91.720000 | 94.660000 |
2009年6月 | 95.309900 | 98.879900 | 94.430000 | 96.319900 |
2009年5月 | 98.580000 | 99.720000 | 93.819900 | 95.290000 |
2009年4月 | 98.809900 | 101.449900 | 95.589900 | 98.559900 |
2009年3月 | 97.709900 | 99.669900 | 93.519900 | 98.809900 |
2009年2月 | 90.010000 | 98.699900 | 88.559900 | 97.580000 |
2009年1月 | 90.699900 | 94.629900 | 87.110000 | 89.970000 |
2008年12月 | 95.489900 | 95.559900 | 87.110000 | 90.599900 |
2008年11月 | 98.629900 | 100.550000 | 93.540000 | 95.470000 |
2008年10月 | 106.000000 | 106.529900 | 90.879900 | 98.410000 |
2008年9月 | 108.319900 | 109.180000 | 103.489900 | 106.029900 |
リーマンショックの起きた2008年9月以前とそれ以後では約10円ほどの開きがあり、1年以上の間、元の水準に戻っていないことが分かります。戻るどころか徐々に下がる始末。
その特性上、影響が”世界全体”に及んだので、単に円高になるというシナリオにはなっていません。
・元の水準まで戻る期間:5年3か月(2008年9月⇒2013年12月)
2011 東日本大震災
2011年3月11日、日本は東日本大震災に見舞われました。ぼくたちにとっては最も記憶に新しく、16000人以上の命が奪われた大災害です。
・阪神淡路大震災の”前例”があるため、相場の動きはある程度折り込み済み
それが相場に及ぼす影響はもちろん小さなものではありませんでした。
下記が東日本大震災前後のUSD/JPYのデータです。
https://info.finance.yahoo.co.jp/history/?code=USDJPY%3DX&sy=2011&sm=3&sd=1&ey=2011&em=3&ed=31&tm=d
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
---|---|---|---|---|
2011年3月31日 | 82.889900 | 83.220000 | 82.540000 | 83.150000 |
2011年3月30日 | 82.459900 | 83.190000 | 82.349900 | 82.870000 |
2011年3月29日 | 81.720000 | 82.559900 | 81.510000 | 82.470000 |
2011年3月28日 | 81.330000 | 81.839900 | 81.330000 | 81.699900 |
2011年3月25日 | 80.989900 | 81.489900 | 80.870000 | 81.309900 |
2011年3月24日 | 80.970000 | 81.050000 | 80.739900 | 80.980000 |
2011年3月23日 | 80.970000 | 81.069900 | 80.680000 | 80.910000 |
2011年3月22日 | 80.970000 | 81.050000 | 80.940000 | 81.050000 |
2011年3月21日 | 80.779900 | 81.330000 | 80.720000 | 81.029900 |
2011年3月18日 | 78.989900 | 81.980000 | 78.989900 | 80.589900 |
2011年3月17日 | 77.660000 | 79.739900 | 77.160000 | 78.830000 |
2011年3月16日 | 80.730000 | 81.169900 | 77.949900 | 78.129900 |
2011年3月15日 | 81.669900 | 82.029900 | 80.589900 | 80.699900 |
2011年3月14日 | 81.809900 | 82.430000 | 80.680000 | 81.610000 |
2011年3月11日 | 82.919900 | 83.290000 | 81.639900 | 81.889900 |
2011年3月10日 | 82.709900 | 83.169900 | 82.669900 | 82.879900 |
2011年3月9日 | 82.650000 | 82.940000 | 82.540000 | 82.730000 |
2011年3月8日 | 82.230000 | 82.849900 | 82.190000 | 82.660000 |
2011年3月7日 | 82.279900 | 82.400000 | 81.930000 | 82.209900 |
2011年3月4日 | 82.400000 | 83.000000 | 82.190000 | 82.260000 |
3月11日まで平均82円前後で推移していた価格が、3月17日の安値では77,16円と震災6日後に、最大の安値を付けています。
元の水準82円に戻るには、3月30日まで、つまり最大安値を付けた3月17日より13日間かかりました。
・元の水準まで戻る期間:13日(3月17日⇒3月30日)
2020 コロナショック←いまここ
そして、今現在コロナショックに至ります。コロナウイルス自体は2019年12月後半から報道されてきましたが、死者が報じられたのは2020年1月20日、そこから1月末までは「武漢オンリー」の話題とされてきました。そこからは日本⇒欧州⇒米国と世界的な広がりを見せています。
・中国⇒日本⇒欧州⇒米国と徐々に影響が拡大している
ここでは2020年1月をスタートにしてUSD/JPYの推移を見てみます。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
---|---|---|---|---|
2020年3月2日 | 107.380000 | 108.570000 | 104.980000 | 105.300000 |
2020年2月24日 | 111.590000 | 111.680000 | 107.490000 | 108.070000 |
2020年2月17日 | 109.770000 | 112.210000 | 109.640000 | 111.570000 |
2020年2月10日 | 109.840000 | 110.130000 | 109.550000 | 109.740000 |
2020年2月3日 | 108.400000 | 110.020000 | 108.310000 | 109.720000 |
2020年1月27日 | 109.040000 | 109.260000 | 108.300000 | 108.380000 |
2020年1月20日 | 110.140000 | 110.210000 | 109.160000 | 109.270000 |
2020年1月13日 | 109.480000 | 110.280000 | 109.440000 | 110.140000 |
2020年1月6日 | 107.990000 | 109.690000 | 107.630000 | 109.460000 |
・元の水準まで戻る期間:???日
円だけでなく、ドルもユーロも投資家たちによる買戻しが行われ、為替はカオスになりそうです。投資そのもののリスクというよりも、コロナウイルスによる経済活動の停滞が危ぶまれているので、相場回復のきっかけはコロナウイルスの鎮静化がいつになるかに懸かっているでしょう。
結論:USD/JPYの今は様子見
というわけで結論、現状はUSDJPYのポジションを持つのは非常に危険かもです。
もしどうしてもポジションを持てと言われたら個人的にはUSD/JPYはショートします。先が見えないからこそ、今日明日が底値になることはまずないです。コロナが鎮静化するまでは。。。
ちなみに、こういった大荒れ相場でもトライアングル・アービトラージを用いて、現在も変わらず元手50万円で月5万円ほどの利益が出ています。
元手資金が必要になるため正直、おすすめはしませんが、気になる方はぜひ下記の記事を見ていただけると参考になるかと。
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